神はサイコロを振らない 第三回

 ヤス子が半ば強引に対策室に復帰して各家族の問題解決に本腰を入れ始めるなか、ほぼ確定した402便の乗客が再び消えてしまうことをどう扱うかでいろいろな思いが行き交う回。

 水橋文美江さんの世界観かもしれませんが、『物事を一方向から見ること』を慎重に避けたお話作りがすばらしいです。大屋本部長とヤス子の対立の描き方や、消えてしまう立場の亜紀のポジティブシンキングという言葉では片付けられない態度の描写など随所に思わず『ああ』と声が出そうになるシーンがちりばめられています。おそらくこれは、ラストに出てきた菊介の意外な行為の落としどころにも現れてくると思われ、非常に楽しみです。

 高橋恵子さんは『光とともに・・・』の姑役から引き続き、憎まれ役を好演。どう軟化するんでしょうか。