白夜行 第一回

 今期『神はサイコロを振らない』に次いで期待の一作。セカチューにつづいて山田孝之綾瀬はるかオフィスクレッシェンドが手がけるTBSドラマということで、いやでも百恵&友和&大映をイメージさせます。

 初回は現代の二人を見せた上で、二人の出会いと悲しい出来事を丁寧に描く二時間スペシャル。二時間を最後まで見ると、冒頭の現代のシーンの意味(亮司が雪穂に向こうに行けと指差すところなど)がより深く理解できる構造になってます。最近は無駄な感じに初回75分スペシャルとかやるケースが多いですが、これは二時間にした意味が十分に伝わる力作だったと思います。

 子役は誰がやるかと思えば雪穂は福田麻由子。この時期は成長が早いですが『光とともに・・・』のころに比べるとずいぶん成長したものです。母親に利用される日々の中で、『どぶにだって咲く花はある』と信じて生きるという難役だったと思いますがいつもどおりの抑えた演技で安心して見られました。それ以上に感心したのが亮司役の泉澤君。以前リタイアした『ホームドラマ!』の第一回の演技に感心したことがありますが、実にうまい。まっすぐな性格の亮司を非常に素直に演じていたと思います。ドラマを引き締めるのは金八こと武田鉄矢。金八が終わったからか暗黒面むき出しで二人に迫る役どころを熱演してます。

 ラスト近くでいきなり7年経ってしまって、ようやく成長した二人が登場。雪穂は養女にもらわれ?平穏な日々。亮司は実家の質屋がつぶれ、クラブをやっている母と二人暮らしでしょうか。ここを第二の出発点として、ここから7年をどう描いていくのか、つらい展開は予想されるものの、楽しみです。

 ツッコミどころをいくつか。

  • 『僕は死にまっしぇん』をやるとは。(確かにネタ元『101回目のプロポーズ』は91年夏放映ですが)これも雪穂のためならすべてをささげる亮司の重要な描写だといえば納得ですが、金八が出てるからなぁ。
  • 河野伸さんの音楽はセカチューとほぼ同じ。もう少しひねりがあっても・・・。
  • エンドロールの映像もセカチューと同じ手法。わざとにしてももうちょっとやり方があるのでは。(純愛シリーズとして心理的に植えつけたいのか?)
  • 紙切りはうますぎ。ちゃんと紙切り指導の方のクレジットがあったのは少し笑えた。