ハルとナツ 届かなかった手紙 第四回

 見ている間は惹きつけられるけど見終わるとそれほど印象に残らない。どういうことなんだろう。叙情的ではなく叙事的な語り口がそうさせるのかなぁ。なので感想が書きづらいんですよね。という感じで今回の流れ。

  • 現代。再会したハルとナツはお互いに手紙を読み、境遇を知ったことでわだかまりをなくし、ナツの誘いで箱根へ向かう。箱根で二人は手紙以降のそれぞれの生きてきた道のりを語り合い始める。
  • 中山の好意で早期釈放されたハルの父はそれでも日本人の誇りを大切にし、アメリカに物を売る中山を許せない。中山の長男、隆太から求婚されるハル。しかし、父のわだかまりを考えると戦争が終わるまで待つしかない。
  • 相変わらず牛を育て続けるナツだが、戦中は牛乳を供出しなければならず、いままでのようにチーズを作ったりする余裕もなくなっていた。仲間の金太や勉は牛を売ればというがナツは徳治から譲り受けた牛を守りぬく決心をしていた。
  • 戦争が終わった。ブラジルの奥地には日本が勝って終戦したというデマも流れ、愛国心の強い入植者の中ではそれを信じる『勝ち組』とそれ以外の者たちの間で対立が生じていた。冷静に『勝ち組』を説得し、和解しようとする場で中山に反発し、暴力を振るったハルの父はまた留置場に入れられる。またしても中山の好意で大事に至らなかったハルの父は、息子の実が軍人として日本のために戦ったことを考えると日本が負けたと信じることは出来ないと頑なにその考えを曲げない。妻やハルも実を思う父の思いに反対は出来ないのだった。そして、その父にそむくことは出来ないと悟ったハルは隆太に結婚できないと告げるのだった。
  • ナツは終戦をポジティブに受け止め、またチーズ作りをはじめ、闇市で売り多額の収入を得る。チーズ生産に大手が参入し頭打ちになってきたころ、闇市の顧客であったジョージ原田からクッキーの作り方を学び、新しい活路を見出す。売れ行きは順調で札幌に新工場を作ったナツはジョージと婚約したこと、子供を身ごもったことを金太と勉に告げるが、二人はそんなナツに失望(失恋)して袂を分かつ。それでもナツはくじけず、お菓子作りに長けた女性を二人雇い、順調に商売を続ける。しかし、幸せもつかの間、ジョージが帰国することになり、菓子の夢を捨て切れないナツは日本に残り、一人で子供を育てる。
  • 最初の農場から逃げる際に農場に残った叔父夫婦が訪ねてくる。叔父は農場で支配人に登りつめ、今度はコーヒー貿易で一旗上げようとしていた。叔父は土地(農業)にしがみつくハルの父を半ば嘲るが、ハルの父は胸をはって土地(農業)の誇りを示す。昭和27年。ハルの家に実を軍人にスカウトした海野が訪ねてきた。遺品を携えて、特攻隊で実がなくなった事実を伝えにきたのだ。この事実を前にして、「日本が敗戦したのだったら軍人は総自決しているはずだから、やはり日本は勝ったのだ』とハルの父はあくまでも日本の勝利を信じ続ける。もう、両親とともに一生生きるしかないと思い始めるハルの前に、移民船で一緒になり、最初の農場で共に過ごした山下一家の次男拓也が現れたのだった。

 愛国心と親としての愛情をベースに日本の勝利を頑なに信じ続けるハルの父を村田雄浩が好演してます。最後の老け込み方(特に頭髪)はやりすぎかなとも思いますが、顔の造作も手伝って、真実味のある迫力が伝わります。

 叔父役の吉見一豊は何回見ても劇団ひとりに見えてしょうがありません。ということは劇団ひとりは将来こういった感じの性格俳優になっていくんでしょうかね。

 次回で最終回。お話はある程度見えていますが、画面の美しさと破綻のない演技で楽しませてもらおうと思います。早く帰らないと電車と14分かぶってるんだよなぁ。