タイガー&ドラゴン 第七回

 竜二の噺家をやめるいきさつ(独演会の失敗とそれにまつわるいざこざ)と現在の夢(ビンテージジーンズにさらに付加価値をつける)と素人お笑いスカウトカラバンのドタバタを『猫の皿』の噺に仕立てて描く回。

 録画して見たんですが、その前に『瑠璃の島』で照明さん(小日向さん)が亡くなる回をリアルタイムで見ていたのでなんだか変な感じでした。子どものような純真な照明さんがこんなに偏屈な親父になるなんて・・・。小日向さんのキャラクターとしては似合わない部類の役柄だと思いますが、偏屈なだけで根っからの悪人というわけではないですから、そういったところを無理なく出せる人としてはいいキャスティングと見るべきでしょうね。

  落語芸能協会の会合があんな場所で行われていること自体がシュール。しかも会長が立ってるし。このシーンでの高田亭のおちょくりはお見事。(そのあとのインベーダーゲーム音も)

 落語シーンも毎回趣向を凝らすのが大変だと思いますが、今週は客席猫化→落語再現入り(実猫)→サダヲ猫という猫変化。予想のつくサダヲ猫ですが実猫をはさんで意外さを出してgood。

 前回、自分なりの方法論を小虎が見出していくというようなことを書きましたが、そういったところは今回は感じられず。登場人物もまた『反物屋の竜』に戻ってたし、設定も江戸で通してたようだし。私の読み違いですね。

 噺との絡み具合でいくと目利きの宝探しと主従逆転の要素を基盤に置きながらもオリジナルな要素(目利きの嵌めかたと嵌められた側の腹のくくり方)が人情味にあふれた効き方でお見事でした。

 思えばクドカンの書くドラマは今回に限らず、それ自体が落語であるといえるのではないか。面白みを土台に置いてはいるが、人々の頑張りや失望、情熱といったところが最後には心に残り、小ネタというくすぐりをその照れ隠しのようにこれぞとばかりにちりばめる。こういった素地とドラマの内容がうまくシンクロしていることも、これまで以上に多くの人に支持されている原因かもしれない。

 なんてそれっぽい考察らしきものをしてみるが、親父のたわごとですから。

 次回は出来心。なるほど、職業への向き不向きできましたか。どうさばいてくれるか楽しみです。