タイガー&ドラゴン 第一回

 芝浜をモチーフにして、正月スペシャルを後ろ盾にして、初回の登場人物紹介を結構すっ飛ばしたある意味画期的な構成の回。

 いやー、楽しめました。やはりクドカンの醍醐味はこの構成感ですね。『夢になるといけねえ』をどう処理するのかが見てる側の興味なんだけど、元の噺のさげをわざと見せないで、現代パートでそれを明らかにする手際の鮮やかさには参りました。正直、虎児が元噺でさげをいうタイミングでCM入れたときには『落語知らない人間はどうするんだ』と思いましたが、それは杞憂。実に巧みな話術できれいにさげてもらいました。そういう意味では、どういう噺を扱うということをさらして、筋を組み立てる倒叙法のミステリーを見るような趣もあります。

 お気に入りの美咲タンをどう扱うかが興味津々だったんですが、フラッとしたトラブルメーカーのいい女的な扱いでしょうかね。

 林屋亭、ドラゴンソーダ周辺、 流星会、寄席周辺という場面設定もバランスよく非常に楽しんで見られました。 次週は『饅頭怖い』らしいですが、単純な話ほど一体どう扱うか楽しみなのも、緊張感のある関係で楽しみです。