逃亡者 最終回(04/09/26OA)

 これまたラス前一回飛ばし。

 予想通り、さすがTBSという感じのなんじゃこれ度満点のラスト。勘弁してください。

 失敗の理由は二つ。伏線の張り方の弱さと人物描写の薄さ。鍵を握っていたのはナツミなわけですが、彼女の行動は前半意味不明の咲いじめが中心だったのに、ラス前二回くらいで腎臓移植を受けていたという驚愕の事実。臓器移植を受けた子があんなに短期間でウリまでできるくらいの回復を見せるものでしょうか?伏線をきちんと張るなら、ナツミの行動をそれなりに意味あるものに描かないと駄目だし、井川刑事の追う、虐待児童死亡疑惑をもっと突っ込んでおかないと見てるほうはわかんないですよね。ナツミが最後にいい子ちゃんに豹変するのはあきれすらも超えています。人物描写の面から見れば、来栖院長は悩んでいる感じは見せるもののそれが何に対するものかがはっきりしないし、実の娘を殺すに至った経緯が医師としてのプロフェッショナリズムに根ざしていたとしたら、もっと医療に関しての思いを語らせておくべきでしょう。

 ここからは勝手な想像ですが、おそらくTBSは『逃亡者』という題名を引っ掛けにして、米国版の『逃亡者』同様の展開を予想した視聴者を騙して、本格推理犯人当てドラマを企画したんだと思います。番組公式サイトに『永井に現れて欲しい場所募集』なんていうコーナーがあることがまず不自然。撮りながらロケ地決めるなんてありえないでしょうし、これ自体が引っ掛けだと思います。そうでないとしたら、何らかの事情がこういう展開を呼んだのかもしれませんが、主要人物は最初から一応怪しげに描かれているので、単に脚本が弱かったと見るしかないでしょう。

 最後に来栖院長をぴょん吉の着ぐるみのまま連行するのは最大の汚点。子供の夢を壊さないためにも、着ぐるみくらいは脱がせろよ。

 日曜九時に思い気持ちになりながらも見続けて、損した気分。