白い巨塔 第十七回

 浪速大を辞めた里見を大河内教授が訪ねてくる。里見に再就職先として医療に真剣に取り組む民間の千成病院を勧めにやってきたのだ。里見は勧めに従い、再就職を決意する。引越しの日、財前が訪れる。三年我慢すればがんセンターの要職として呼び寄せるというのだ。理想の病院だという財前に、里見は反発する。財前はきっと自分に泣きついてくると言い残し去る。一年後、がんセンターの建築は進み、財前も多忙を極める。里見は千成病院で充実した臨床医としての日々を送っている。そこに関口が訪ねてくる。全国津々浦々の医者を口説いて回ったが、裁判に協力してくれる医者はいないというのだ。わらにもすがる思いで里見に心あたりがないか尋ねる。里見の口からは佐枝子の父でもある東の名があげられるのだった。今は民間病院の院長として勤める東。偶然にも亀山君子もその病院の看護師として勤務を始めていた。しかし、東はさまざまな葛藤の中、依頼を断る。そんな中、食道がん患者の一人に財前は引っかかる。亡くなった佐々木庸平とダブって見えてしまうのだ。本来なら多忙を極める財前が執刀するまでもない患者だが、どうしても佐々木の面影がちらついてしまう財前は自ら執刀するといってしまう。財前は柳原を自宅に招く。そこには舅とその紹介で大阪の有力薬局の娘、野田花子がいた。柳原には内緒で見合いがセットされていたのだ。医者として結婚して安定感を持たなければならないと説く財前に釈然としないものを感じながらも花子を自宅前まで送る。帰り際、またあってほしいという花子にきちんとした返事のできない柳原。別れた後、なぜか佐々木親子の移動弁当販売の現場へ足が向いてしまう。偶然居合わせた関口に見つかり逃げる柳原。追いついた関口に、裁判が終わってから真実をいっても意味がないといわれても、振り切って逃げる柳原だった。里見を東が訪ねてくる。裁判のことについて事実を確認したいという。財前があせって手術をしたこと、それが東の退官日であったことを告げる里見。それを聞く東の心の中では何かが変わり始めていた。そのころ、財前の中では佐々木庸平の分身と化している患者の手術が行われていた。術中も患者に佐々木の姿を見てしまう財前は、らしからぬミスを連発し、手術室は混乱を極めるのだった。という回。

 前作や原作で描かれている過程を結構思い切って省いていますが、それと感じさせず、逆にスピード感を出しているところはエンターテインメントに徹している脚本の勝利だと思います。人間ドラマとして描くなら別の構成もとれそうですが、これはこれでいいのではないでしょうか。しかし、柳原のお見合いエピソードはやっぱりコントを見ているようで、恒例の息抜きタイム開始!といった感じがします。

 財前が佐々木の亡霊を見てしまうシーンはちょっと多用しすぎではないでしょうか。演出の問題でしょうが、しつこく感じました。

 里見が病院をやめて宿直医のバイトをすると妻に告げるシーンがありましたがそれを見て「あー、これで救命救急に行くんだ」(by妻)。我が家ではよくやるボケです。どっちが先にボケられるかが勝負。

 伊藤英明は今週もへたれ役者の看板に恥じない見事なへたれ気味でしたがプライベートでは、ナカミーが伊藤英明と熱愛、通い婚(日刊スポーツ)なんて報道も。中野美奈子って割と好きなんですよね。