川、いつか海へ

 NHKのテレビ放送50周年記念ドラマ。倉本聰(3、6話)、野沢尚(1、5話)、三谷幸喜(2、4話)がリレー方式で脚本を担当する六夜連続ドラマ。先週くらいに制作舞台裏のようなドキュメンタリーを見たのだが、三谷幸喜だけはうまくインターミッション的なお話作りをしていると感じた。だって、旅館密室ものと劇中素人劇ものという、いかにもな設定で、明らかにほかの二人とは違う世界。だから面白いということもあるんだけど。

 21日の初回は深津絵里ユースケ・サンタマリアの離婚を控えた夫婦が、海で亡くなった深津絵里の父の形見のガラスの浮き玉を苦労して山の水源地に運ぶ物語。いい加減というか浮き草的な男を演じさせたら、ユースケは天下一品。ラストの携帯二つに出るところ、そして去っていく深津絵里を唖然と見送るところなんて、あれが地じゃなかったら超名演としか言いようがありません。深津絵里はこのあとすぐに(ほんとにすぐ)末っ子長男が始まり、見ているほうは少し混乱しそうになりました。

 今夜は渡辺謙小林聡美西田敏行という芸達者で固めた一夜密室もので堪能したいと思います。小林聡美はだんなの脚本は「やっぱり猫が好き」以外は初めてかな?