すいか 最終回

ついに馬場ちゃんと基子が再会、馬場ちゃんに基子はついていくのか否か。教授が

ハピネス三茶を出て行く!?。絆危うし!。そしてみんなは?という回。

あーあ、終わっちゃったという感じ。

私なりのこのドラマの解釈を、少し長くなるかもしれませんが書いておこうと思います。


基子は母親と一卵性親子のように生活し、安定した職場を確保し、ある意味固定化された

日常を何の疑問もなく生きていました。基子の生き方は「母」や「会社」といった他者との

息の詰まるようなかかわりあいに立脚していたということです。一方絆は、双子として、

自分の存在を支えてくれていた姉の死によって他者どころか内なる自分との距離感もつかみ

にくくなっていて、半ば積極的に他者との係わり合いを排除した生活を送っています。

職業も明日は食えないかもしれないエロ漫画家です。

結局のところ、他者とのかかわりあいにおいては対極的な二人ですが、その形がどうあれ、

他者とのかかわりあい抜きでは生きていけない。今の二人の生き方だって間違っているわけ

じゃないけど、もっと素敵な考え方があるんじゃないのということが、このドラマ全体の

メインテーマだったんじゃないかなと感じています。

そういったことが、響一の一途な思いや、毎回の人生の重みさえ感じさせる教授の名言や

振る舞い、基子の貯金や絆の父親との関係やシンギングドッグをめぐるエピソードなどで

押し付けがましくならない語り口で見事に構築されていたと思います。

最終回をとってみると、今までの基子だったら、最後に馬場ちゃんについていっていたかも

しれない。響一との心のふれあいを持たずにいたら、絆はあの少年を止められなかったかも

しれない。「自分はここにいるよ」という表出を相手に伝えることが「他者とのかかわりあい」の

基本であって、それをどういう形でやるかによっていい関係が築けたり、築けなかったりする。

いつもならその役を演ずる教授ではなくって、絆が体を張って「ぼくはここにいるよ」という

伝え方を少年に伝えたところは数多い名シーンの中でも心に染みる名シーンだと思います。

私の勝手に考えるメインテーマ以外にも、かなり哲学的な人生論を
そんな素振りも見せずに

見事にやってのけたのが、脚本のすごさだと改めて思います。

そして、すいかの実が生ったり、つなよしが帰ってきたりする、ベタなおまけを

臆面もなくちゃんと用意しているのも絶妙です。

中学生から老人まで見る人すべてに、それぞれ何かが伝わるだろう、本当に素敵なドラマでした。


DVDのプレゼントは応募して、当たらなかったら買おう。

発売されるかどうかもわからない「ぼくの魔法使い」よりは優先度が高くなりました。


来週からの天気予報はやっぱり観月"スターシステム"ありさドラマのようです。

うまくはまれば、それはそれで楽しいんですけどね。