古畑任三郎ファイナル 第三夜「ラストダンス」

 三谷幸喜が確か朝日夕刊の連載でこのドラマに触れたとき「テレビでしか出来ないトリック」と書いてあった記憶があります。犯人役が脚本家なので、古畑自体をその脚本家が書いていたなんていうメタフィクション的な不条理劇として仕立ててくるかなぁと思ったら、ごくごくオーソドックスな仕上がり。いったいどこがテレビでしか成立しなかったんでしょうね?(文字では表現しにくいというなら話はわかりますが)

 まあ、そのあたりは置いとくとして、お話の完成度は高かったと思います。今泉の煩さもほどほどだったし、くすぐりもかなり抑え気味で大人っぽい雰囲気はよく出ていたのではないでしょうか?ただ、なんとなく手放しで「よかった」といえないもどかしさがあるんですよね。やはり、『最後の最後』ということで期待が大きすぎたんでしょうか?

 ということで、あまり語るべき内容もありません。以下余談。『北の国から』にしろ『古畑任三郎』にしろ『白線流し』にしろフジテレビはコンテンツを大切にする(悪い言い方をすれば賞味期限を引き延ばして味わいつくす)ことが上手な局だなぁと思います。このどれもが終わってしまった今、これらと同じような扱いを受けさせてもらえる作品があるかと見渡すとちょっと見当たらない気がします。(『大奥』とか『金田一』はちょっと違う)これも時の流れでしょうか。