野ブタ。をプロデュース 第二回

 いよいよ信子のプロデュース本番化。信子の逡巡と、最初のおしゃれ作戦が思わぬ事実のせいで崩れ去るが確実に信子は変わってきている、というお話。

 あらすじを書きかけましたが、すいかのときと同じで筋を書いたところでこのドラマのよさが伝えられないと気づいてやめました。筋を書かずに伝えられる自信もありませんが・・・。『すいか』を四重奏にたとえたことがありましたが、このドラマではミルフィーユを連想しました。お話が少しずつずれて重なって複雑な味わいを醸し出していることを例えようと思ったんですがミルフィーユは舌触りのほかは単調な食べ物ですね。orz

 今週のツボは信子が過去にいじめにあって落書きされ、捨てたはずの服が満面の笑みをたたえるアフリカの少年に着られている写真を見て、落書きされた制服で通う決心をするところです。この後の修二と彰の制服汚しは、その前のおばちゃんコスプレ(これが違和感なく着られているところがお見事)と同様、『対象と同じ目線で接する』というコミュニケーションの最大の秘訣のようなものを教えてくれているようです。その後の誰もが制服に字を書いているのは、ちょっとやりすぎ感もありますが、すぐに飽きられたということを云いたいための広げ方なんでしょうね。

 山下君の演技が少しおとなしくなっていてほっとしましたが、もう一歩変えようがあると思います。ここまでやられると、劇中で彰が本当の自分を隠すための芝居のためにこういう演技をやっているのではないかと考えてしまいます。

 『真夜中さん』とか、くすぐりもうまく効いていますが、それもすべては啓蒙を素直に受け入れてもらうため、もしくは緊張と緩和の均衡をとるための手段かなぁとも思えるほど、今週はメッセージがストレートに感じられました。これで、現役高校生が何か感じてもらえるといいんですけどね。

 学園ものという姿を借りて、普遍的な何かを伝えようという脚本やスタッフに敬服します。