ハルとナツ 届かなかった手紙 第二回

 今回はおおむね次の通り。

  • ハルのもとにブラジルから手紙が届き、封も切られていない手紙を読み始める。
  • ナツは神戸で三日待たされ、祖母と北海道に帰るが、予想通りの酷い扱いを受ける。祖母はナツをかばい、頼まれ仕事を夜なべで行い、ナツの分の生活費に充てるが心臓発作でなくなってしまう。庇護者がいなくなったナツは伯母にブラジルに出す手紙の切手代も出してもらえず、お金を盗んで家出する。
  • ハル一家は農場ではじめての年俸を受け取る時期になったが、不作とコーヒー豆の値下がりで、売店のつけ等と相殺しても赤字で借金だけが残ってしまった。それでもハルはくじけず、野菜畑を充実させ、それを売ってわずかでも借金を返そうとけなげに働く。さらに不幸は続き、兄の茂がマラリアに罹り、あっけなく亡くなる。亡くなる間際に、父が呼ばないと判断した医者を、ナツが呼んできたことでさらに借金は膨らむことに。日本から一緒に来た山下は、『ここに居続けても搾取されるだけで将来は絶望的だ。一緒に逃げよう。』と持ちかける。しかし、ナツは『どこに行っても一緒だからここに残ろう。』という。
  • 家出したナツは川のほとりで寝ているところを牛飼いの徳治に発見され、徳治の家で暮らすこととなる。徳治は妻子を亡くし、一人で牛を飼い、牛乳やチーズを売って暮らしていた。ナツは徳治の仕事を手伝いながら日々を過ごしていく。
  • ハルはナツからの手紙が届いているはずの当初入植予定だった駅に叔母と向かう。しかし、ポルトガル語がしゃべれないハルたちに駅員は冷たく、手紙は受け取れない。雨が降ると期待した日、雨ではなく大粒の雹が降り、ハルの野菜畑もコーヒー畑も壊滅的な被害を受ける。この惨状の中、ハルはやっぱりここから逃げようと父に訴えるのだった。

 グローバルおしん的な要素は割とあっさりとちりばめ、ハルとナツの対比に力点が置かれているように感じます。家族というかけがえのない関係(内的幸福)を保っているハル側には過酷な労働や貧困(外的悲劇)を与え、孤独(内的悲劇)を背負うナツには運の良さと牛乳飲み放題の生活(外的幸福)を与えるという基本の対比構造が実に絶妙です。

 いよいよ次回は米倉涼子仲間由紀恵が登場。米倉涼子の芝居はいかがなものかしら。