一番大切な人は誰ですか? 第一回 第二回

 離婚し、再婚した巡査が越してきた町には、前婦と娘が住んでいた。妻、前婦、娘と巡査の心模様を描くお話。

 第一回は、越してきた町に前婦と娘が住んでいたという事実を、さほど衝撃的でもなくさらっと描きながら、登場人物紹介をする回。第二回は前婦=東子の置かれている状況(運転資金に困っていたり、上客であるがためかつい商店街の親父に気を許したり)や巡査=要の心情、そういった両親の姿を見て思春期らしい屈折した態度を見せる娘=小南を少し深堀する回。

 主人公は女三人の中でおたおたする要なわけですが、宮沢りえのうまさもあいまって、やはり東子のキャラクタに目がいきます。意地っ張りだけどどこか脆さを抱えていて、男としては放っておけない。時として、小悪魔的な状況を意思に反して作り出してしまう。そういった役柄を実にうまく演じられていると思います。

 岸谷五朗は役者として二面性がある(サスペンス(アクション)&コメディ)と思います。今回コメディをベースとしながら、いざという場面ではきちんと体技が見せられているあたり、さすがだと思います。

 高田純次三浦理恵子の夫婦は割れ鍋に綴じ蓋という感じがぴったりで、キャスティングはうまいと思いましたが、演技面はまた別の話。特に高田純次は素が見えすぎかなという感じです。あと細かい点では小南のおでこの広さは、宮沢りえというよりは牧瀬里穂の娘かと思ったり。

 演出面では東子のギャラリーがセットであるというところに注目。ロケ映像から東子のギャラリーへ路地を入るとセットになるというのは、要にとって前婦と娘の存在は一種のファンタジーだということを示しているのではないでしょうか?。音楽もレトロな感じで流れるし。

 そういう意味も含めて、要の態度に対する私の見方は第二回で東子がキレたように『私から解放してやったのに、何やってんのよ?』ですよ。ちょっとやさしすぎるんじゃないでしょうか?。

 気をつけないとぐだぐだになっちゃうお話ですが小南を軸にして、タイトルの難しい問いかけに何かの答えが出ることを期待します。

(第一回:04/10/19RD-4EX 第二回:04/10/19OA)