光とともに…自閉症児を抱えて 第一回

 今期、私の中では最大の期待作。

 どうにも理解できない行動をとる息子光が自閉症と判明し、母親の幸子がそれを受容し普通小学校の特別クラスに入学するまでを教師との出会いや夫・姑の理解拒絶、幸子の心の葛藤を交えて描いた回。

 自閉症が如何に一般的に誤解されているのかということ、本当はどういう障碍なのかということをこれでもかというくらいしつこく描きながらお話が進められます。うちの息子も言葉が遅かったりしたので少し心配になり、症状を調べたこともあったり、記憶に新しいNHKの秀作ドラマ「抱きしめたい」を見たりして予備知識がありましたが、そうでなければ高橋恵子演じる姑のような感覚が普通なのでしょう。

 下手に同情を誘ったり、感情に訴えるテクニックを使ったりせず、淡々と描く姿勢はよかったです。

 少し不満に思ったのは夫の態度。親だったら一緒に病院に行ったり症状を確認したりするのが普通ではないでしょうか?これは「女手ひとつで」育てられたという経験から、「子供は母親が育てるもの」という考えにとらわれていたり、そもそも父親がどう子育てに参加するのかわからないということの現れなんでしょうね。

 特筆すべきは光の幼児期を演じた子役の上手さ。(公式ページのキャストに表示されてない→追記:仲条友彪君というらしい)キラキラを見つめるまなざしなど、真に迫っていたと思います。

 寺の境内で、光のモノローグとして、幸子への謝罪が語られます。しかし、光はそんなことを思っているはずもない。母としての幸子が自らの欲求として聞いた幻聴と捉えるべきでしょうか?少し、意味づけの曖昧なシーンだったと思います。

 後半で幸子が光の行動にようやく意味を見出せた瞬間はこちらにも喜びが伝わってきました。それを境に、母親としての力強さを身につけたことを小学校での交渉で表現できている篠原涼子に拍手。いい女優になったものです。こんないい女優がどうしてフジ(アットホーム・ダッド)との掛け持ちするんでしょうか?よく気持ちの切り替えができるものです。

 日テレはぼくの魔法使いでの扱いといい、井川遥をいじめるのが好きなんでしょうか?でも、スレた役が妙にはまっていて新境地開拓という感じです。

 小林聡美は彼女にしかできない芝居で存在感ばっちり。安心してみていられます。

 できれば多くの人に見て欲しいドラマですが、視聴率は低いんだろうなぁ。