白い巨塔 第十三回

 証拠保全手続きを取ったものの、この時点ではあまりやる気のない弁護士関口は、書類の不備や、持ち出しできない書類を複写する準備をしておらず、ろくな証拠もつかめず退散してしまう。佐々木未亡人から着手料200万円を受け取るが勝ち目のない裁判とすでに踏んでいて、その金も借金返済に充てるつもりだ。そんな関口に対し佐枝子は耐えられなくなり、自分と浪速大の関係を明かす。一方浪速大では裁判対策として敏腕弁護士国平が指導にあたる。国平は「事実の確認」と称し、特に肺転移の疑いを指摘した事実に付き、なかったものにするべく関係者の口裏を合わせたり、カルテ類の改ざんを命じる。しかし、里見はそれに耐えられず席を外す。佐枝子により今の自分が医者と同じくらい最低な人間に成り下がっていることに気づいた関口は佐々木に着手金を返し、勝ち目のない裁判を受けられないことを説明する。佐々木宅から帰ろうとする二人の前に偶然里見が現れる。佐々木との関係を知った関口は里見に証言を依頼し、里見は快諾する。関口は再度の証拠保全手続きをとった。今回は提出を依頼する対象も十分押さえ、コピー機、カメラなども用意していた。着々と書類を複写するうち、関口は一枚の書類に気づく。それは転移の疑いにつき、柳原が最後まで抵抗しながらも修正液で直したカルテだった。という回。

 けれん味たっぷりの演出。国平の登場シーンやラストの財前が新聞を破るシーンなど、まさにコテコテの大阪味といったところでしょうか。特に薄暗い中に逆光を印象的に使ったシーンが多く、「社会派」を見るものに意識させる効果があったと思います。

 ミッチーはメガネの効果もあってか「冷徹」という文字がふさわしい存在感を醸し出せていると思います。古畑のときよりもかなりいい感じです。

 エンドロールでなぜかみったん(伊藤英明)が最後にクレジットされていました。一瞬見間違いかと思って巻き戻して見たのですが間違ってない。すごい出世だなぁと思ってみていると「入れ忘れて慌てて追加したんじゃない」(by妻)。そんな事はないだろうけど、どうしてなんでしょうね。