カルロス・クライバー指揮 ベートーヴェン「田園」

 おそらくクラシック界今年一番の話題盤。入荷日の15日に買って来ました。(ミーハー)

 一聴すると、第一楽章冒頭のせかせかした感じに「なんじゃこれ」感を覚えます。「速過ぎないアレグロ」という指定にはあっているように思えないテンポです。しかし、聴いていくうちにクライバー特有のフレーズ処理のチャーミングさとか内声部の浮き出させ方とかが、こちらの抵抗感を溶かしていき、聴き終えるころにはなんともいえない充実感を味わうことができます。
 いわゆるリファレンスとかスタンダードとかいった呼び方は似合いませんが、クライバーの説得力のある唯一無二の解釈とそれをかなり忠実に演奏した記録としては非常に貴重なものだと思います。